2007年、東京の渋谷にシブヤ大学というものができました。
この「大学」の授業で先生になるのは、
ダンサーや料理人、俳優など、街にいる、面白い人たち。
「学問」とは違った学び合いができる、
地域密着型の新しい教育のカタチです。
札幌でも、同様の考え方の「札幌オオドオリ大学」
いよいよ2月6日からはじまります。
「なんだか楽しそう」「面白いことがはじまりそう」
そんな期待が高まっています。
24才の学長、猪熊梨恵さんに話をお聞きしました。

(6)才能に触れる、交わる。

[ 2010/01/18更新 ]
猪熊シブヤ大学を例にあげると、
なぜシブ大が必要だったかということを
勝手な私の意見として言うと、あそこ(東京)は
情報を持っていれば持っているだけ、自分が着るよろい(鎧)が
大きくなっていくんですよね。
そのよろいは自分を守るものにもなるし、
人とコミュニケーションを取るための材料としても使える。

札幌の場合はどうかというと、札幌って
交わらなかったら交わらなくてもいいっていう
考えの人が多いと思うんですよ。
てくそうですか。
猪熊建築だけでいいやって思える人もいるだろうし、
いやいや、アートも写真も好きなんだよねっていう人も
いると思うんだけど。
なんか、そこに(交わることに)
いかに面白みを持てるかという人が
渋谷のような街には多いという気がする。
それはたぶん、渋谷という街には、
それを求めて行っているから。
てくあー、なるほど。
猪熊自分が持っているの情報量がすでにたくさんあって、
次に専門分野と違うところでコミュニティを作っていって
そこで自分を出していったときに「先生」になれる、
というところで、
自分はこういうことができるんだと発見したり。
生徒になったときには、こんな人も先生になれるんだという
発見があると思うんですけど。
札幌の場合はそれをしなくても、正直、生きていける。


てくなんでだろう。
猪熊なんでだろう。
てく札幌の人の個性かな。札幌の地域性ですか。
猪熊んー・・例えば、ファッションの展示会が、
東京では、いろんなところでいっぱいあって。
そこにはアートの人も行くし、お花屋さんも行くし、
チャリ好きな人も行くけれど、
札幌ってそういう場面自体もなかったりします。
場が商業化されていない、というのもあるかもしれない。
ショービジネスがないというか。
自分の才能をPRしたり、才能を買うという市場が無い。

これをアートというものに置き換えてもそうですね。
なかなか作品に値段をつけるひとが少なかったりとか、
コマーシャルギャラリー自体がなかったり。
アートを売るビジネスマン、要はギャラリストが
いないという状況。
いることはいるんですけど・・・それで自分が
食べていけるかというと、そうではないところで
生活をしている人が多いですよね。
厳しい目線で言ってしまうと。
だから、どちらかというと、アートをやろうというときに
東京に行ってしまったり。
でも、そうじゃなくて、札幌でもできるじゃないっていう人が、
もちろんいるので、そこをピックアップしたい
っていう気持ちはもちろんありますね。
てくビジネスにしていくエネルギーって
結構大きいですよね。
なかなか体力が持たなかったりエネルギーがもたなくて、
ビジネスに乗らない人たちがいる。
例えば、そういう人たちがオオドオリ大学と連携して
もっと日の目を見るというか、
授業として取り上げていくということも
目指していらっしゃるんだろうなと思うんですよね。
猪熊そうですね。
てくで、そこに何か化学反応があって
新しいことにつながって、という。


猪熊(札幌には)タレント(才能)はいっぱいあるので。
「東京に行かなければ活躍できなくて評価がされない」ではないところの評価っていうのを、
個人的にはつくりたいなっていうのがありますね。
てくなるほど。
オオドオリ大学は、その入口づくりなので
そこまで才能が自覚できていなかったり、
なんとなく興味があるから、という
参加の仕方はもちろん“あり”ですよね。
猪熊もちろん、それが大前提です。
自分の気持ちとしては、まず、そういう人がいる、
「こういうことができる人がいるんだ」ということを
知らないと、街にそんなものがあるなんて
思わないと思うので。
まずはそれを知って共感したり、
逆に反発してもいいと思うんですけど、
疑問点とか、自発的に思ったり行動したり
動かないとだめなのかなと。
てくまずは、そこで人や才能と交わって、それに対して
自分がどう思うのか、考えたり動いたりする
とっかかりはできますよね。



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