加賀城匡貴さん「スーパー違和感」を語る
スケルツォの加賀城さんと会うのは3年ぶりだ。始まりは「11月10日にライブをやるんです」という加賀城さんのメールから。公演タイトルは「scherzo zenzaring for The Baker Brothers」。 スケルツォは、ユニークなパフォーマンス・ユニットだ。映像と音楽とナレーションとで構成され、日常的な映像を、見ている人が“なぜか心に残る”ユーモアへと変換してしまう作品を生み出している。メンバーは札幌在住だが、昨今は全国的にライブパフォーマンスを行い、多様な人たちとのコラボレーションも話題となっている。インタビューで久しぶりに加賀城さんの話をお聞きすると、最近の彼らの活動を通して作り上げられてきた自信と、今回のライブで彼らのユニークなスタイルがより結実したものになるのではないか?という印象を持った。キーワードは「スーパー違和感」。それは、札幌で生活するみんなが札幌を楽しむためのキーワードのようにも思えた。

“めあてで遊べる人”が増えたらいいですね。

-最後に、加賀城さんにとっての札幌についてお聞きしたいんですが。
「札幌にい続けることがあまり僕にとって刺激ではないんです。面白いキーワードをこないだ拾ったんですが・・小樽の温泉に行ったら、効能書きがありますよね。そこに“転地効果”という言葉が並んでいました。あちこち移動することによってよい効果がある、ということなんですけど。僕は、他の土地に行ってみたり、住んだりするほうが、札幌のこともよく見えると思うんです。
小学校時代に“めあて”ってありましたよね。朝に日直が決めて、一日の終わりに守れたかどうか発表する。“めあて”にする内容というのは、ごく当たり前の日常生活のルールです。サッカーで言えば、ボールに手でさわってはいけない“ハンド”というルール、これも学校でたとえると“めあて”のようなものだと思うんです。サッカー選手が、手をつかって試合をしてしまったら、面白くないですよね。でも手を使わないサッカーだからこそ、みんながあっと驚くような華麗な技というのも生まれてくるわけです。そういうふうに、僕は“めあてを遊んだら面白いんじゃないか”と思うんです。ところが、札幌は、なかなか“めあてを遊べる”ところではないんじゃないかと感じているんです。
スケルツォ加賀城匡貴さん
この前の札幌市長選のときに、僕は、若い人にうったえる“投票へ行こう”ポスターを非公式につくった。これは“めあてで遊ぶ”チャンスだと思ったんですよね。誰に頼まれてもいないんですけど(笑)、まあ誰にも迷惑をかけないし、作ってもいいのではないかと。カフェや雑貨店に貼ってもらえるデザインのものを作ってみたんです。
そうしたら、マスコミ各社も反応してくれて、あの日高五郎さんからも電話がかかってきて。大人が反応してくれたんですね。なんだろう?と思ったら、これは“よくぞめあてで遊んでくれた”という大人の反応だったと思うんですよ。これが記事になったりして取り上げられたということは、めあてで遊んでいる人が少なかったからでしょう。
さっき話した、毛布にくるまったおじいちゃんとか、子供用のリュックを背負っている人を見る機会が少ないのが、札幌だと思うんです。少し“変わったこと”をする人がいる風景というのが当たり前ではない、ということだと思うんですよね。まずは、
ということだと思うんですよね。」
-今回のステージでは札幌で活躍している人たちとコラボレーションしていますね。札幌はそういうネットワークを作りやすいですか。
「僕はネットワークをはりめぐらせていますから・・。札幌には、センスのいい人たちが大勢います。ネットワークのつなげかたによっては全国的にも面白いイベントができたりするはずですが、そういうところをまだまだ、札幌という街は活用していないと思います。」
-札幌の人には、そういう意味でもスケルツォのパフォーマンスを見てほしいですね。
「そうですね。札幌のみなさんに、見てほしいです。
“めあてを遊べる人”が、札幌にもっと増えたらいいですね!」

(インタビュー・写真/堤綾佳)