-- | いわゆるスキーウエアと冬の「山ガール」のファッションは、 その生まれてくるところが全然ちがうわけですが、 山ガールとスキー、 どんなところに接点があるでしょうか。 |
|
森脇 | ニーズがどこにあるかですよね。 山ガールが、どうして山ガールになったのか。 |
-- | はい。 |
森脇 | 環境ブームという流れの中で、 エコな活動とかネイチャー、ナチュラルといったこと。 ヨガやピラティスで自分の体をケアして、 自分の体の内側を見つめて デトックスだったり、食事にも気をつけて、 といったところから、自然に回帰するという流れになって、 そのまま自然回帰的な趣味になって・・・、 というのが、きっとあると思うんです。 |
-- | ええ、ええ。 |
森脇 | きっと、山ガールの「ヨガやってる率」って 高いと思うんですよね。 |
-- | どうなんだろう。 |
森脇 | やってる?って聞いたら、 半分以上やってるような気がするんです。 そういう、自然回帰の流れで言うと、 もしかするとスキーも、バックカントリースキーというスキーの方を、 山ガールはやっていく可能性がありますね。 ゲレンデスキーというよりも。 |
はぎ | ホント、おっしゃるとおりで。 ぼくの知ってる山ガールは、夏はヨガやってます。 |
森脇 | でしょう? |
はぎ | そして去年、スキーの裏に貼る「シール」を買って 冬山に行った。 |
-- | そのまんまですね(笑)。 バックカントリースキーって どういうところを滑るんですか。 ゲレンデスキーのコースではない山に、 すっと入ってしまうんですか。 |
森脇 | はい、そのまんまです。 たとえば、札幌近郊であれば、いくつかのスキー場から上って 反対側の登山道を滑って降りることができる場所があります。 もちろん、知識のある人と一緒に行くことが必要です。 反対側に事前に車を置いておき、 それに乗ってスキー場へ戻るような方法で 楽しんでいる人たちがけっこういるんですよ。 |
-- | そうですか。 |
森脇 | みんなで到着場所まで車で行き、 1台置いてスキー場へ。 そして滑ってきたらその車で再びスキー場へ。 そんな感じです。 |
-- | なるほど。 それなら仲間同士で気軽にできそうですね。 |
森脇 | はい。ただ、当然のことですが 装備、知識、経験が必要なので 経験者と一緒に行くということと、 自己責任で行うということが前提ですが、 条件がととのえば、かなり安全に楽しめます。 |
-- | ええ、ええ。 素人だけで行くことは 避けたほうが良いですね。 |
森脇 | はい。 そして、いまのは滑ることだけの楽しみ方で。 最初から歩いて登って、下りを滑るという人もいるし。 バックカントリースキーは、「かんじき」の代わりに 太めのスキーを使って、太くなくてもいいんですけど、 毛皮の逆目をうまく使って後ろに滑らないような 「シール」というものをスキー板の裏に着けて 山の中をのぼっていって、 斜めに登坂していくんですよ。 まっすぐ直登しないで。 |
-- | 登坂。直登。 |
森脇 | すると、かんじきと同じように、 沈まない状態で頂上まで上がって行けて、 頂上で「シール」を外したら、 パウダースノーを滑って降りてこれる。 |
-- | 帰りがたのしそう。 |
森脇 | 帰りが楽なのが、冬山登山の魅力ですよ。 帰りは滑るだけだから。 |
-- | 滑って降りられるというのは良いですね。 かんじきではできない。 |
森脇 | そう。それを味わうと、夏山の登山がつらく感じるくらい。 |
-- | 夏と違って樹木の緑が無いけれど、 葉がないから、鳥がよく見えるのも良いですね。 |
森脇 | 動物の足あとが見えたりとか。 |
-- | 近場で楽しめそうですね。 札幌って周りに山がいっぱいありますよね。 都心からも円山や藻岩山、盤渓とかがすぐあって。 手稲山もスキー場までも交通の便もいいし。 そういう意味でめぐまれてますよね。 |
森脇 | 自然に囲まれていますよね。 でかい都市の割には、大自然だらけなんです。 |
-- | ということは、もっと気軽に、 しかも自分の好きなタイプのスキーを楽しめる、 ということですね。 |
森脇 | そこで、スキーについて、ぼくなりの仮説が一つあって。 |
-- | なぜスキーから離れてしまったのか。 |
(つづく)
.
話・森脇俊文
撮影協力・kenon(ケノン)(札幌市北区新琴似5条12丁目5-17)
バックカントリースキーのこと
バックカントリースキーは、冬の野山を自由にかけまわれる魅力的な活動です。
スキー板や装備をそろえて、いざ山へ!・・・と言いたいところですが、
始める前に、いくつか気をつけなければならないことがあります。
山に入るときに、入山届けをしなければならなかったり、
スキー場内では立ち入り禁止区域があるなど、守らなければならないルールがあります。
また、雪崩や天候の変化、装備が足りなかったり道に迷ってしまうと命の危険もあるため、特に初心者は専門ガイドと一緒に歩くことをおすすめします。
山用具専門店、アウトドアガイド・ツアー窓口、スキー場のスタッフなどにまずは相談して、安全の基本を押さえた上で、バックカントリースキーを楽しみましょう!