札幌の冬とスキーと森脇さん。
都心から1時間以内にスキー場が複数ある絶好のロケーションにありながら、市民のスキー離れが言われて久しい札幌。ちょっと待って!最近スキーが再び”熱い”ですよ。雪やスキーとの付き合い方のアイディアをいっぱい持っている森脇俊文さんに、札幌の冬やスキーについてあれこれお聞きしました。編集部のスキー愛好家はぎも参加。(森脇さんのプロフィールはこちら

第8回 「雪育」という雪との付き合い方を。

森脇 「雪育」という言葉を、ぼくは
よく使うようになっているんです。
雪とともに暮らす生活の方法、知恵ですね。
雪育がすすめば、雪まつりの中でも
いろんな雪にまつわる遊びかたができると思うんですよ。
体を使って、ボンッと雪の上で体の型をとるっていうのもそうだし、
角に座ってお尻ちょんとのっけて
自分専用のいすのような形になるのも雪育として考えられるし。
いいことばかり言うと、必ず突っついてくる人がいるんですけど、
雪育っていうのはプラスとマイナスどちらも
受け入れた中でのものだと思うんですよ。
雪かきの方法も雪育だと思うし、
雪のわだちにはまったときの対処の方法とか。
車で言うとスリップしそうなときに
スリップさせないための方法や、
雪の坂道をFRでのぼるための
テクニックも雪育だと思うんですよ。


-- ええ、ええ。
森脇 なんでもいいんですけど、
雪にまつわる知恵を集めたものを雪育としてとらえれば、
「雪育を知らないから困ったことになるんだろう、
おれは全然困らないから」となるんですよ。
-- 雪にまつわる知恵を持っているかどうかで
札幌での快適に暮らすための「常識」がちがってくる
というわけですね。
森脇 雪を利用したり楽しむ知恵を知らないと、
あたかも、雪というものが消えてくれるものだったり
東京と同じ暮らしが2月の札幌でもできるかのように、
我々は錯覚しはじめているんですよ。
-- 地元に無いものを生活周りの基準にしてしまうと、
どうしても現状に対してネガティブな見方に
なってしまいますからね。
森脇 逆に札幌だからこんな知恵もあるんだよ、
こんなの常識だよっていうふうになるといいですよね。
「基本情報として札幌の人がみんなこれを知ってる」
ということになると、すごく素敵なことで。
例えば札幌の人は、つるつるの冬道を歩けるんですよね、
それは、我々は毎年歩いているから。
でも東京の人は歩けない。
「我々ができるもの」というのが、すでにあるのだから、
あとはそういうことをもう少し伝えていったり、
お互いが情報として共有して持ちえていると
おもしろいのかなと思うんですよね。
雪育コンテンツになりうるものって幅広くあるから。
雪かきから、雪合戦から、かまくらから、スキーの技術から、
遊び方から、貯蔵方法から・・・何もかも。
車の運転方法一つとっても、面白いと思うんですよね。
札幌には「雪プロジェクト」という専門家集団もいることですしね。

-- なるほど。
雪が身近な札幌の人こそ、もっと雪について詳しくて、
いろんな知恵を持っていて、
そして発信もできると素敵だなと、わたしも思います。
それから、今日は、スキーを楽しむ選択肢が、以前と比べると
格段に広がっていることがわかって、
わたしもこの冬はスキー場に通いたくなりました。
今日はどうもありがとうございました。

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話・森脇俊文
撮影協力・kenon(ケノン)(札幌市北区新琴似5条12丁目5-17)