今年8月21日、「いつまでも市民に愛される大通のまちづくり」を合言葉に、大通の6商店街が中心となって、大通地区のまちづくりの総合調整役としてまちづくりを推進する「札幌大通まちづくり株式会社」が設立されました。 まちづくり会社ができた経緯と札幌TMOとの関係、そして街を訪れる私たちとの関係について、専任マネージャーであり取締役統括部長の服部彰治さんにお聞きました。

[ 2009/12/03更新 ]


大通を取り巻く環境が変わる中、札幌TMOに代わるまちづくり組織として。

−−大通地区のまちづくり会社をどのような経緯でつくることになったのでしょうか。
服部まちづくり会社を具体的に検討したのは、2007年から2009年の2年間ですが、こういうものができれば良いなという思いが生まれる原点は1986年に札幌中心部商店街活性化協議会が発足したときにさかのぼります。これは、都心部にある6商店街(一番街、二番街、三番街、四番街、狸小路、地下街)が協働して取り組めることがあるのではないかということで発足しました。

このとき、まちづくり会社という考え方や方法論もあるよねというのは思いとしてはありました。
ただ、当時は大通が買い物や賑わいの中心であり、今と比べてまちがずっと元気だったので、まちづくり会社の必要性がそれほど感じられなかった時代だったと思います。

それが、2000年からは郊外に大型店が出店し始め、2003年には札幌駅が新しくなり、札幌市民のライフスタイルもどんどん変わり始めました。そうした中で大通地区がいかに生き残っていくかということを少しずつ考えていかなければいけないようになってきました。

もうひとつの契機は、2006年に新しい中心市街地活性化法に変わったことです。
2002年に札幌商工会議所と札幌市が協働で運営する札幌TMOが立ち上がり、中心市街地活性化の事業を実施していましたが、2006年に法律が変わり、まちづくり会社がTMOに代わる組織として位置づけられました。

街の状況が変わってきたのと、中心市街地活性化が変わったタイミングもあって、まちづくり会社という、まちづくりを進めていく担い手をつくろうじゃないかという共通した思いになっていったのです。
−−それで2007年に本格的にまちづくり会社の検討をはじめた。
服部2007年の3月に神戸と京都に行ってまちづくり会社を見てきました。そこで気づいたのが、専任マネージャーが必要だということ。
まちづくり会社ができても、専属的にそこに従事する人がいなければまちづくりは進まないという認識を持ちました。
ちょうど専従的に従事する人材もいるし、全てのそうしたタイミングときっかけがあって、このまちづくり会社をつくっていこうということになって、2007年から2年間検討したということなんです。
−−札幌大通まちづくり株式会社が札幌TMOから継承する事業にはどのようなものがありますか。
服部札幌TMOでは、都心にぎわいづくり、チャレンジショップ、都心共通駐車券都心の魅力発信サイトなどの事業が展開されており、我々としてはできる限り受け継いでいかなければいけないと思っています。

特に、都心にぎわいづくりは「だい・どん・でん!」というイベントは、2日間で15万人以上の集客を集めるまでになりましたし、都心共通駐車券はいまも広がりをみせているので、都心にとっては大きな成果だと思います。


街はみんなのもの。
江戸時代の井戸端会議のように、大通に来るみんなで良くしていければ。

−−大通のまちづくりについて、服部さん個人として、大通に来られるみなさんに理解してほしいことがあれば教えてください。
服部誰のものでもなくて、街はみんなのもの。それをみんなで良いものにしていこうという気持ちがないと良い街にはならないと思うのです。まちづくり会社ができたから、それで大通がすごくよくなるかというと、そんな魔法のようなものではありません。

昔、江戸では水は井戸からしか汲めなかったので、井戸の使い方をみんなで井戸端で話し合いました。公共という考え方があったんですね。
大通も、みんなが他の人の立場になって考えられれば、もっと変わるんじゃないでしょうか。

例えば、ごみを捨てないということ。
みんなの場所だから公共の場所だから捨てて良いということではないはず。
大通に働きに来ている人にとっては、働いている場所が快適で気持ちいいほうが、いいですよね。

自転車の駐輪であれば、「ここに停めたら、自分だったらここを通るときに嫌だな」とイメージしてみてほしい。

でもそれが、なかなかできません。
みんなできれいにしたり、みんなで考えて活動していかなければと思うんですよ。
−−街を訪れる私たちの関わり方が、大通の活性化のポイントになりそうですね。
服部関わりということで言えば、僕は2年前に会社をやめてまちづくり会社に専属で入るようになって、街の人たちと挨拶をする回数が非常に増えたということが、街と関わりが深くなっていくプロセスだったと思うんですよ。おはよう、とかってね。
全員が全員、そうはできないのだけれど、それが街と関わるきっかけになったりしますよね。
そういう環境ができてくるとうれしいですね。


札幌大通まちづくり株式会社
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