てくてくカフェvol.1-スケルツォ加賀城匡貴さん

「違和感」を超えると、違和感ではなくなるんです


スケルツォの加賀城さんと会うのは3年ぶりだ。始まりは「11月10日にライブをやるんです」という加賀城さんのメールから。公演タイトルは「scherzo zenzaring for The Baker Brothers」。 このメールから、なんというか並ならないオーラを感じてインタビューが決定した。
スケルツォは、ユニークなパフォーマンス・ユニットだ。映像と音楽とナレーションとで構成され、日常的な映像を、見ている人が“なぜか心に残る”ユーモアへと変換してしまう作品を次々と生み出している。メンバーは札幌在住だが、昨今は全国的にライブパフォーマンスを行い、多様な人たちとのコラボレーションも話題となっている。
インタビューで久しぶりに加賀城さんの話をお聞きしていると、最近の彼らの活動を通して作り上げられてきた自信を感じたし、今回のライブでは、彼らのユニークなスタイルがより結実したものになるのではないか?という印象を持った。キーワードは「スーパー違和感」。それは、札幌で生活するみんなが札幌を楽しむためのキーワードのようにも思えた。
[インタビュ−/写真]堤綾佳(ノーザンクロス)




「とんち」の面白さに気がついたんです
スケルツォ加賀城匡貴さん
−ゼンザリングという言葉が気になります。「前座する」から作った造語ということですが、これはベイカー・ブラザーズへのリスペクトという意味もあるのですか?

「それも込みですね。ベイカー・ブラザーズと出会った当時の僕らというのは、天木直人さん(元レバノン大使)との講演会をプロデュースしたりと、全然違う分野の人とつながりはじめた時期だったんです。ベイカー・ブラザーズのメンバーのクリスは僕がイギリスに行っていた頃の友人で、彼らがついにメジャーデビューして初来日ツアーをするときに札幌で何か一緒にやれないかという話があったので、これも全然ジャンルが違うけどつながってみると面白そうだというのがあった。これがまずゼンザリングの始まりなんです。」


−面白そうだから一緒に何かしよう、と。

「僕は、まず直感でひらめいたことを行動してから意味づけを考えるほうなんです。自分がベイカー・ブラザーズと公演することを考えたときに浮かんだのが、ドリフターズとビートルズのエピソードで。ビートルズが日本公演を行ったとき、他にも何組か前座をやったバンドがいたみたいですけど、ドリフターズの前座が今でも伝説的に語り継がれているというのを知っていたので、これはドリフをモチーフにしたら面白いなと。ドリフは別にコメディーをしたわけではないんですけどね。でも僕は、そう思って笑いをやっている自分たちをドリフに投影していた。スケルツォとベイカーブラザーズ。それも、実は上演時間は全く同じなんだけれども、ゼンザリングとしてやってみるというのがミソです。」



スケルツォ加賀城匡貴さん
「一休さんじゃないけど、とんちの面白さに気がついて。一休さんは “ひらめいた!” というところから行動に移るんですよね。でも僕の場合は、なんとなく直感で “やってみたらいいんじゃないか” というところで動いてみて、それからとんちを披露する。だから、一休さんよりハードルを高くしてるんです。理屈ができる前に、面白そうだと思ったことにすぐ反応して行動してしまうんですよ。」


−“とんち”がひらめく前に、直感で動いてしまうんですね。

「意味づけというか、自分の中での “腑に落ちる点”というか、そういう点を探しますね。ああそういうことだったんだ、だから行動したんだというのに、後で気がつく。はじめは素材が浮かぶんです。この素材とこの素材をくっつけたら面白いんじゃないかということが。」

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